どんな時でも、
私たちを癒やしてくれる地域の自然。
その恩返しをするために
TOYOTA SOCIAL FES!!が、今年も開催されます。
楽しみながら自然を守るという想いのもと、
2012年に日本全国47都道府県で始まったこの活動。
12年間で10万人以上の方に参加いただきました。
みんなで地域に集まって、自分たちの手で。
さぁ、自然を守るを、一緒に楽しく。
TOYOTA SOCIAL FES!! Presents
山陽新聞社
環境保全について学ぶ体験型イベント「TOYOTA SOCIAL FES!!2025」が10月4日、玉野市胸上の北興化学工業内にある北興会館と吉浦海岸で開かれました。岡山県内の親子連れや学生ボランティア約120人が参加。岡山大学の佐野亘助教から魚介類のすみかとなるアマモの藻場について学び、環境教育などを行う企業イノカの松浦京佑さんの指導で生き物の観察に取り組みました。
藻場は、魚介類の〝隠れ家〟や産卵場、生育場になることから「海のゆりかご」と呼ばれています。ところが地球温暖化や沿岸開発の影響により、瀬戸内海では1960年代から90年代にかけて約7割の藻場が消失。胸上漁協の國屋利明組合長も「ここ20年、特にアナゴやシャコ、カニが減っている。藻場がなくなり、成長途中で食べられているのかも」と話していました。そこで参加者は「海の中で何が起きているか」を調べるため、吉浦海岸に出て、水底に生息する生物を調べる「ベントス調査」を行いました。
砂浜から岩場にかけて約100㍍の範囲を10チームに分かれて調査がスタート。参加者は自分の持ち場の泥砂をスコップで掘り起こしました。すると中から小さなシャコやハゼ、カニ、貝類が次々と出現。家族で参加した宇都宮旭さん(8歳、岡山市)は「シャコを初めて取れてうれしい」とにっこり。思わぬ釣果(?)にあちこちで歓声が上がり、大人も子どもも予定時間を超えて生き物探しに没頭しました。
約1時間の調査の結果、吉浦海岸には予想をはるかに超えた量の生物がいることが判明しました。また枯れて黄色くなったアマモが生えていることも確認され、かつてこの地に藻場があったことも予想されました。さらに漁獲量が減っているシャコの稚魚も多数見られたことから、國屋組合長の予想通り、大きくなる前に捕食されている可能性が強まりました。調査を通して岡山の海の豊かさに触れるとともに、生物多様性が失われつつあることを体感した参加者たち。かつての豊かな海を取り戻すにはどうすればいいか、何ができるかと、それぞれが思いをはせる一日となりました。
◆主 催:山陽新聞社
◆共 催:イノカ、瀬戸内渚フォーラム
◆協 力:北興化学工業、岡山大学教育学部、ノートルダム清心女子大学、環境部ECOLO
◆企画制作:山陽新聞社 メディアビジネス本部